格安SIMは利用料金は安いものの、3大キャリア(docomo・au・Softbank)と比較すると低速であるため、快適に使うためには利用料金だけでなく、通信速度にも注目することが肝心です。
格安SIMの中でも通信速度が最高クラスということで人気なのがmineoなのですが、具体的にはどのくらいの通信速度なのでしょうか。
またmineoにはドコモプラン・auプラン・ソフトバンクプランと大手携帯キャリア3社の回線を利用していますが、どの回線が最も速いのでしょうか。
3つの時間帯での速度を比較
これは格安SIM全般にいえることですが、格安SIMは利用者同士で通信回線を分け合う形で通信を行っているため、回線が空いている時間帯には比較的快適に通信ができるものの、回線が混雑する時間帯には通信速度が極端に低下する傾向があります。
混雑時間帯に通信速度が低下するのは、mineoも例外ではなく、通勤通学時間帯(8時~8時30分)、昼休みの時間帯(12時~12時30分)、帰宅時間(17時30分~18時)頃です。
今回は「mineoは混雑時でも快適に利用できるか」を検証するため、これらの回線が混雑する時間帯に具体的にどのくらいの速度が出るのかの実測値を紹介していきます。
※関東近郊の地方都市で計測しました。
なお、非混雑時の速度ですが、各プラン毎の平均的な下り速度は次のようになっています。
- ドコモプラン…5Mbps~12Mbps
- auプラン…15Mbps~25Mbps
- ソフトバンクプラン…6Mbps~8Mbps
朝の混雑時間帯(8時~8時30分ごろ)の速度
各プラン毎の朝の混雑時間帯の通信速度はおおむね次のようになります。
- ドコモプラン…0.7Mbps~1Mbps
- auプラン…1Mbps~1.2Mbps
- ソフトバンクプラン…1Mbps~1.2Mbps
ここで興味深いのが、平日と土日祝日で朝の混雑時間帯の通信速度に大きな差が生じている点です。
上記の通信速度は平日の平均的な速度ですが、土日祝日の朝の混雑時間帯における平均的な速度は次のように変化します。
- ドコモプラン…8Mbps~10Mbps
- auプラン…23Mbps~28Mbps
- ソフトバンクプラン…6Mbps~7Mbps
この結果から、格安SIMを利用する場合、いかに朝の回線の混雑を避けられるかが快適に使う秘訣であるといえます。
昼の混雑時間帯(12時~12時30分ごろ)の速度
各プラン毎の昼の混雑時間帯の通信速度は概ね次のようになります。
- ドコモプラン…0.2Mbps~0.4Mbps
- auプラン…1.8Mbps~2.2Mbps
- ソフトバンクプラン…0.3Mbps~0.4Mbps
このようにどのプランでも極端に通信速度が低下してしまい、使いにくくなってしまいます。
スマホでYouTube(標準画質)の動画を視聴するのにはおよそ1Mbpsの速度があれば問題ないといわれています。
auプランでは特に問題なく動画視聴ができますが、その他のプランでは動画視聴は厳しいですし、Google Mapの読み込みなども遅くなってしまいます。
なお、昼の混雑時間帯の速度も朝の混雑時間帯と同様に、平日と土日祝日で大きく変わってきます。
先に紹介した昼の混雑時間帯の通信速度は平日の平均的な速度であり、土日祝日の平均的な速度は次のようになります。
- ドコモプラン…4Mbps~6Mbps
- auプラン…6Mbps~7Mbps
- ソフトバンクプラン…1.5Mbps~3Mbps
格安SIMは昼の混雑時間帯には使いものにならないと言われがちですが、それは平日に限った話で、土日祝日であれば、昼の混雑時間帯でも比較的快適に利用できます。
夕方の混雑時間帯(17時30分~18時ごろ)の速度
各プラン毎の夕方の混雑時間帯の速度は概ね次のようになります。
- ドコモプラン…0.9Mbps~1.8Mbps
- auプラン…1.7Mbps~3Mbps
- ソフトバンクプラン…0.9Mbps~2.5Mbps
夕方の混雑時間帯の通信速度については平日でも土日祝日でもあまり変わりません。
この時間帯に頻繁に通信を行う場合、格安SIMへの乗り換えは気をつける必要がありますし、乗り換える場合にはmineoのauプランのように、安定してYouTubeの再生ができる速度を維持できる可能性が高い格安SIMを選ぶことが重要です。
mineo各プランの通信速度総評
ここまでmineoの各プラン毎の混雑時間帯と非混雑時間帯、そして土日祝日の混雑時間帯の通信速度を比較してきましたが、通信速度の結果をまとめると次のようになります。
ドコモプラン
ドコモ回線を利用した格安SIMの中では平均的な速度で、非混雑時間帯には比較的安定した速度が出ます。
ただし、混雑時間帯には極端に速度が低下してしまい、ブラウジングなども厳しくなることから、混雑時間帯には公衆無料Wi-Fiを利用するなどの工夫が必要です。
auプラン
格安SIMサービス全体の中でも最速クラスですし、mineoのプランの中でも混雑時間帯、非混雑時間帯ともに最も高速です。
混雑時間帯でもYouTube(標準画質)の視聴に耐えうる速度が出るので、格安SIMでも安定・快適に通信をしたいと考えるすべての人におすすめできます。
ソフトバンクプラン
混雑時間帯時間帯の速度は非常に遅くなってしまいますし、非混雑時間帯でもドコモプランやauプランと比較して速度が遅くなっています。
SIMロックがかかったソフトバンク製のiPhone/iPadが利用できるのは強みですが、それ以外には特にメリットがないため、積極的に契約する必要はないプランと考えられます。
まとめ
以上のように回線によって通信速度は大きく変化するのがmineoの特徴ともいえます。料金面だけに目を奪われ、契約したもののつながりが悪くてストレスが溜まる、となってしまっては無意味です。動画をよく視聴するのであればauプラン、そうではないならば……など、自身のケースを振り返り、最適な回線選び、はたまたmineo以外のキャリアを選び直すといった工夫が必要です。