格安SIM・スマホの先駆者的存在のIIjmio。数多くの格安SIMプロバイダーが登場していますが、いまだに高い人気を誇っています。
格安SIMにするならやっぱり老舗のほうがなにかと安心できるという人も多いと思います。実際にIIjmioに決めたいけど、格安SIMというと料金とトレードオフでデータ通信速度、つまりネットの速度が遅くて使い物にならないのでは? と心配されるかもしれません。
結論的には遅くて使い物にならないという心配は、ほぼ皆無です。とはいえ、実際にはどれぐらいの速度が出ているものなのか、データを交えて紹介します。
IIjmioの料金プランは通信速度に影響する
IIjmioの料金プランには「タイプD」と「タイプA」の2種類があります。これは前者がドコモ回線を借り受けて提供するサービス、後者がau回線を借り受けて提供するサービスということ。タイプによって若干通信速度(理論上)に差が出ることに注意が必要です。
- タイプD:下り最大1,288Mbps 上り最大131.3Mbps
- タイプA:下り最大958Mbps 上り最大112.5Mbps
データ専用SIMプランと音声通話機能付きSIMではどちらのプランも同額ですが、SMS機能付きSIMの場合は若干料金に差がでます。タイプAのほうが若干安いので、それほど通信速度にこだわらないということであれば、こちらを選ぶのもひとつの手です。
SMS機能付きSIM 料金
タイプD | タイプA | |
ミニマムスタートプラン(3GB) | 1,040円 | 900円 |
ライトスタートプラン(6GB) | 1,660円 | 1,520円 |
ファミリーシェアプラン(12GB) | 2,700円 | 2,560円 |
つまり、タイプDのほうが通信速度的には若干有利ということになります。
IIjmioを含めた5社の通信速度を比較
理論値としては、タイプDもAもかなりの高速通信ができることになりますが、実際はそこまでいかないというのは、周知の事実。実際はどれほどのものなのか、都内のとある場所で1週間、朝、昼、夜の3回、定点計測をして平均値を出しました。
比較としてIIjmio以外の有名どころ格安SIMプロバイダー(ワイモバイル、UQモバイル、LINEモバイル、mineo)の計測も行った結果も発表します。
IIjmioの通信速度はタイプDに軍配
【IIjmio:タイプD速度平均値】
朝 | 7.9Mbps |
昼 | 1.6Mbps |
夜 | 2.1Mbps |
【IIjmio:タイプA速度平均値】
朝 | 2.5Mbps |
昼 | 0.1Mbps |
夜 | 0.9Mbps |
以上のようにタイプD=ドコモ回線のほうが圧倒的に回線速度が速いことになります。タイプAは正直、かなり遅いと言わざるを得ません。これは一般的なネット閲覧もストレスを感じてしまうほどです。
IIjmio以外の通信速度一覧
【ワイモバイル:速度平均値】
朝 | 4.8Mbps |
昼 | 8.7Mbps |
夜 | 4.3Mbps |
【UQモバイル:速度平均値】
朝 | 10.3Mbps |
昼 | 13.4Mbps |
夜 | 13.3Mbps |
【LINEモバイル:ドコモ回線速度平均値】
朝 | 4.2Mbps |
昼 | 1.9Mbps |
夜 | 4.2Mbps |
【LINEモバイル:au回線速度平均値】
朝 | 21.0Mbps |
昼 | 0.7Mbps |
夜 | 8.0Mbps |
【mineo:ドコモ回線速度平均値】
朝 | 15.3Mbps |
昼 | 7.2Mbps |
夜 | 9.8Mbps |
【mineo:au回線速度平均値】
朝 | 21.0Mbps |
昼 | 0.7Mbps |
夜 | 8.0Mbps |
以上のようにかなりバラつきがありますが、総評としてはIIjmioの通信速度(タイプD)に関しては「並」といったところでしょうか。
加えてここで注目したいのが、IIjmio、LINEモバイル、mineoといった、通信会社を選べる場合はドコモ回線が圧倒的に優位であるということ。通信速度もさることながら、1日を通して極端に速度が落ち込むといったこともなく、安定した速度が出ています。
ストレスなくスマホを使う、これに関してはどの格安SIMを選ぶにしてもドコモ回線を選ぶのが無難ということになります。
平凡なIIjmioの非凡なメリット
格安SIMで重要な通信速度に関しては「並」、加えて圧倒的に料金が安いわけではないのになぜIIjmioは人気があるのか? その理由はIIjmioならではのメリットにあります。
IIjmioのメリットその1:高速・低速通信を手軽に切り替えられる
WebブラウザやLINEでのやりとりといったデータ通信、じつはそれほど速度を出さずとも快適に行えます。こういった使い方の場合に低速通信に切り替えておけば、いざ高速通信したいときに契約時のデータ通信量の範囲内で抑えられる、という他社には使い方ができます。
IIjmioのメリットその2:バースト機能
低速通信に切り替えてもストレスにならないよう、通信(読み込み)の最初のほうだけ高速通信を行い、完了までのプロセスを短縮する機能があります。
これにより、低速通信か? と疑うほどスムーズなネットブラウジングを可能にしています。
IIjmioの通信速度のパフォーマンスは安定度高し
今回の測定結果はあくまでも目安。場所によってはまったく異なる結果が出ることもあるでしょう。しかし、IIjmioの通信速度に関してはいたって普通。飛び抜けたものはありませんが、安定度、そしてメリットを加味すれば十分におすすめできます。